INI田島将吾 穏やかな佇まいに宿る信念の強さ
16 Nov 2025
静かな存在感で人を惹きつける、グローバルボーイズグループ・INIの田島将吾。「穏やかさの中に宿る情熱」─それこそが彼を形づくる核だ。話すと飾らず親しみやすい一方で、パフォーマンスは力強い。そのひとつひとつの動きや言葉には、積み重ねてきた時間の深みが滲んでいる。どんな瞬間も、自分と誠実に向き合い、音楽を通して“今”を描き出す。穏やかでありながら、信念は決して揺るがない。その佇まいは、空気が澄んだ冬の景色のように静かで、美しく、そして強い。
─ 撮影はいかがでしたか?
めちゃくちゃ楽しかったです。スタイリングもアイテムとしては自分の好みのものが多かったのですが、普段はやらないような合わせ方だったりして。僕のイメージに合わせてくださったとのことで、嬉しかったです。ネイルもセルフでやってみたのですが、楽しかったです。初めてやったので、若干ガタガタですが(笑)。でもこの雑さも男性ネイルとしてはいいなと思いました。
─ メイクのこだわりはありますか?
普段お仕事では濃いメイクをすることが多いのですが、個人的には今日みたいなナチュラルメイクも好きです。セルフメイクではコンシーラーを使って、気になる部分や隠したい部分をカバーすることもあります。あと、眉毛は結構大事だと思っています。眉毛だけで結構印象が変わるじゃないですか? なので、整えるときは細すぎないちょうどいい太さにしたり、髪色に合わせて脱色するけど抜きすぎないようにしたりとか、こだわっています。
─ 美容ルーティーンはありますか?
僕は夜よりも朝のスキンケアに力を入れていて、ジェル状の洗顔料で洗顔をしたあとに導入美容液、化粧水、セラム、クリーム、最後に日焼け止めを塗っています。少し前まで、スキンケアは夜にしっかりやるものという固定観念で、朝はわりと手短に済ませてしまうことが多かったのですが、朝のスキンケアに重点を置いてやるようになってから肌の調子がいいんです。導入美容液は最近取り入れてみました。最初は工程が多いなと思いましたが、やり始めると結果が出るので楽しいです。あとは、スキンケア用品の香りも重要です。気持ちの問題ですが、肌につけて香りがいいと効いている気がするんです。
─ どんな香りがお好きですか?
スキンケア用品だとピーチ系の香りが好きです。入浴剤はラベンダーの香りを使っています。
─ INIのメンバーとは美容の話はされますか?
あまりしないですね。グループでは美容の話よりも筋トレの話が多いかも(笑)。楽屋ではだいたいみんなゲームをやっていて、僕も前までは一緒にやっていたのですが、今は脱退しました(笑)。最近は(西)洸人と一緒に筋トレをやったりしています。でも、美容については(佐野)雄大がいちばん詳しいのではないかと思います。以前に雄大が出ていたCYAN MANも見ましたが、やっぱり雄大って綺麗だなって思いました。そばかすメイクとかすごく似合っていて良かったです。
─ 田島さんはINIだと何担当ですか?
ミステリー担当かな? ミステリー系の映画や小説が好きなんです。あとは新聞に載っているようなクロスワードパズルも好きで、一時期ハマってやっていました。一人で集中しながらコツコツする作業が好きなのかもしれないです。

─ 食生活で気をつけていることはありますか?
最近は自炊をしています。外食ももちろんおいしいですが、やっぱり自分で作って食べるご飯がおいしくて。ちゃんと食べている感もあるし、栄養も摂れている感覚があります。最近いちばんうまく作れた料理は酢豚。昨日はオムレツの肉がけみたいな料理を作って食べました。どっちも我ながらすごくおいしかったです。
─ 料理担当もいけますね?
料理担当、狙ってるわけではないんですけど(笑)。料理は楽しいですし、気分転換にもなっています。でも最初は失敗もたくさんしました。料理をしながら洗い物をして効率よくやろうとしたゆえに、真っ黒に焦がしてしまったり(笑)。
─ この冬にやりたいことはありますか?
INIのメンバーで集まってクリスマスパーティーをやりたいです。去年はプライベートで僕の家にメンバーが集まってクリスマスパーティーをやったのですが、今年は違うメンバーの家でやりたいです。その時はできなかったんですけど、もし今年できたらみんなに料理を振舞おうかなと思っています。僕はもともと冬が好きだったのですが、じつは最近徐々に冬よりも夏が好きになってきていて……。でもやっぱりファッションは冬の方が楽しめますよね。なので、今回の撮影であったマフラーを使ったコーデが素敵でとても気に入ったので、マフラーを使ったファッションを楽しんでみたいです。

─ 今後やってみたいことはありますか?
今回のバンテリンドーム ナゴヤでの公演で初めて、(木村)柾哉と(後藤)威尊と(髙塚)大夢と僕の4人のユニットで、念願のバンドを披露させていただいたのですが、これは今後も積極的に続けていきたいです。カバー曲やオリジナル曲も出していけたらいいなと密かに思っています。
─ 11月19日発売のWINTER SINGLE「THE WINTER MAGIC」は、どんな楽曲でしょうか?
まるっと1枚でホリデー気分を感じられるウィンターシングルになっています。冬のシングルといっても表題曲は、バラードではなくダンスありのポップな雰囲気。今までのINIとはまたひと味違った一面を見せることができるのではないかと思っています。カップルで聴いてもいいし、仲間うちでワイワイしたいときとか、ぜひプレゼント交換のときとかに流してほしいです。個人的には、収録曲「君がいたから」が推し曲です。僕たちのドキュメンタリー映画の主題歌にもなっていますが、メンバーが楽曲制作に携わっているので、僕たちの気持ちが詰まっている1曲になっています。バラード曲なので冬の寒い季節にもぴったりだと思います。
─ INI初のドキュメンタリー映画『INI THE MOVIE『I Need I』』では、グループのこれまでを振り返る作品になっていると思うのですが、あらためて振り返ってみてグループや個人としての変化や思い出はありましたか?
デビューしてからの4年間はとても長く感じますが、あっという間に過ぎ去っていきました。この期間で個人としてもグループとしてもすごく成長を感じています。個人的には、音楽との向き合い方が変わりました。感覚的な話になってしまうのですが、これまでは歌でもダンスでも、音楽という筒に自分が入り込むイメージでやっていたのが、最近になって自分から塗り広げていくように意識を変えたんです。そしたら力の入り具合がいい方向に向かうようになったと感じていて。表現することって向き合えば向き合うほど難しい。今までは自分の力以上のものを表現しようとしていたなと思うことがあって。結果的にそれで体を壊してしまったり。でも最近は、自分ができる表現を少しずつ伸ばしていこうという考えになってきています。あと、やっぱり思い返すと何よりもオーディションを受けたこと、そしてデビューができて本当に良かったと思っています。思い出で言うと、デビュー曲「Rocketeer」のMV撮影はすごく覚えています。あと、メンバーたちとお仕事で海外を訪れることも多いのですが、以前数人のメンバーとミラノに訪れた時に、ジェラートがおいしすぎて一日に4軒くらい回ったんです(笑)。それもいい思い出です。
─ 今のINIを一言で表すと?
“未来”です。僕的には、この前バンテリンドームナゴヤで開催した『2025 INI LIVE [XQUARE-MASTERPIECE]』がいつもの公演と少し違った良さを感じてすごく印象的で、INIの未来が見えた気がしたんです。公演終了後に雄大とマッサージを受けながらそのことを話したら、雄大も同じことを思っていて。なんか未来が見えたよねと話したんです。最後の公演で円陣をした時も、柾哉が「みんなが今まで見たことないくらい、いい顔してたよ」と言っていて。僕だけではなく、メンバー全員が無意識でこれまでの気持ちが表れていたのかなと思います。特に今回の公演は、メンバーひとりひとりの意見ややりたいことが実現されていたし、ファンのみなさんにも5大ドームツアーをやりたいという目標も伝えることができて、いろいろな意味でINIにとっていい一歩になったなと思います。
田島将吾
1998年生まれ、東京都出身。サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』から誕生したグローバルボーイズグループ・INIのメンバーとして2021年にデビュー。力強いダンスと低音ラップでステージを圧倒。作詞やグループ内バンドのドラムでも確かな腕前を披露し、多彩な表現力で躍進を続けている。
Photography YUYA SHIMAHARA @UM
Hair & Makeup JUNNA NISHIMURA @MASTER LIGHTS
Styling HARUKI UCHIYAMA @TRON
Edit & Interview YUKA ENOMOTO
こちらの情報は『CYAN MAN 2025年12月号』に掲載された内容を再編集したものです。