
揺るがぬ芯を秘めたINI 西洸人が歩み続ける理由
23 Jul 2025
グローバルボーイズグループ・INIの西洸人。この男を一言で表すならば「ストイックにしてプロフェッショナル」である。圧倒的なダンススキル、色気のあるオーラ、カリスマ性、振り付けやステージング演出に楽曲制作と多岐にわたるクリエイティブ力。それでいてシャイで人情深いのだから惹かれざるを得ない。すべてを兼ね備えたスーパーマンのように見えるが、本人はまだまだ満足していない。追い求めるものは圧倒的な存在理由。アイドルを超えて、唯一無二のアーティストへ。西洸人が今見ている景色とは……。
─ 美容で心がけていることを教えてください。
スキンケアのこだわりはあまりなくて……。でも、内側から整えることが大事だと思っているので、オレンジジュースを飲んでビタミンを摂ったり、意識的にサラダを食べるようにしています。
─ ほかに、食生活で気をつけていることはありますか?
最近は毎朝、納豆ご飯を食べています! 納豆を食べた日に体の調子が良かった気がして、それからは同じ発酵食品のヨーグルトや、タンパク質を摂るために卵なども食べています。食べるものに気を使うようになってから、顔つきや体調が変化することに気づいて、自分の体に合う食事を考えるようになりました。でも、甘いものはやめられないですね。最近は、お団子やあんこなどの和菓子にハマっています。ツアー中だと、ケータリングやご当地グルメなど美味しいものがたくさんあるので、食べすぎないように気をつけながら美味しくいただいています。
─ ポーチに必ず入っているアイテムは?
唇が乾燥しやすいので、&beのリップは常に持っています。唇の色で与える印象が変わるから、血色感って大事だなと思って。すごく自然に血色を与えてくれるものを使っていて、男友達にもあげたりするくらいお気に入りです!
─ チャームポイントを教えてください!
顔だと、頬のほくろ! 北斗七星っぽく並んでいるのがお気に入りです。自分のアイデンティティだと思っています。体だと……、今鍛えているのでもう少し自信が持てたら考えます(笑)。ただ大きいだけではなくて、ちゃんと洋服も着こなせるようなきれいな体型を目指して頑張っているところです。

─ ご自身の性格について教えてください!
物事や環境に影響を受けやすい性格かもしれないです。気分屋なのかな? 髪型でもテンションが変わるし、時間帯や天気、睡眠時間によって、自分でもびっくりするくらい気分やコンディションが変わってしまいます。とはいえ、いつ何時も自分の100%を出せるようにしないといけないので、さっき言ったような朝食や睡眠時間など自分なりのマイルールを定着させて、常にいい状態をつくり出せるようにしています。
─ ファッションアイコンはいますか?
タイラー・ザ・クリエイターのファッションは、可愛いらしさと男らしさが共存したような、遊び心のある着こなしをしている印象があって好きです。カラーの組み合わせだけでも彼の世界観が伝わるからすごいですよね。ファッションだけでなく曲のジャンルも幅広くて、MVでの色使いや、スタイリングで自分のアイデンティティを表現できているところに、ファッションだけでなくアーティストとしても憧れます。
─ 西さんもヘアスタイルでの表現の幅が広いイメージがあるのですが、今後やってみたい髪型はありますか?
坊主かロン毛をいつかやってみたいです! とくにロン毛にヒゲっていうスタイルに昔から憧れがあって、年齢を重ねたときにそれが似合うイケおじになれたら最高だなって、ちょっとした夢なんです。外見とかを意識するようになった頃からずっと憧れです。髪型は、特定のイメージにとらわれたくないと思って、ハイトーンや短髪などいろんなスタイルに挑戦してきました。僕のことを見てくれている方々にいろんな西洸人を提供したいと思っているので、どんな髪型にするのもあまり抵抗がないんです。自分のルックスも一種の作品づくりだと思っているし、いろんな雰囲気を表現するのは楽しいです。強気な感じにしたいときは前髪をガッと上げたり、逆に柔らかさや可愛さを出したいときはナチュラルに仕上げてもらったり、雑誌などクリエイティブなときは創作的な髪型に挑戦してみたり。自分の中で髪型の存在は大きくて、気分やモードを切り替えるスイッチになっています。
─ ファッションのこだわりや、この夏狙っているアイテムはありますか?
お仕事の現場が多いので、動きやすさ重視のラフな服装になりがちです。とくに夏はファッションのバリエーションが少なくて難しいんですよね。Tシャツにパンツみたいなシンプルコーデになりやすいので、靴とか小物でおしゃれを楽しむことがこだわりかも。この夏狙ってるアイテムは、ラフにもフォーマルにも履けるスニーカー! ツアーの遠征のときに、移動用とリハーサル用で2足持っていくと荷物が増えてしまうので、どちらの場面でも使えるような靴が欲しいです。あと、今日着たようなチェックシャツも狙っています。洋服は茶系を選びがちなのですが、爽やかな青もすごくいいなと思いました。チェックの種類によってもかっこいいから可愛いまで異なる雰囲気を楽しめるので、この夏ゲットしたいです。
─ 夏の思い出を教えてください!
INIとしてデビューするまでは、毎年のように友達と夏祭りに行っていました。一緒に行くようになったきっかけは覚えてないのですが、いつの間にか暗黙の了解で恒例行事になっていました。ここ何年も行けてないのですが、今思うと懐かしいなと思います。ある年、行った先でウッチャンナンチャンの南原清隆さんにお会いしたことがあって。プライベートだったのですが握手していただいて、何年か越しに『ヒルナンデス』で共演できたときは感慨深かったです。今年の夏はツアーがあるから忙しくなりそう。室内にいることが多いので、時間を見つけて夏の暑さを感じられるようなアウトドアなことができたら最高ですね。ドライブしたり、余裕があったらキャンプなどを学んで、夏を満喫したいです!
─ もうすぐ28歳の誕生日を迎えられるということで(撮影は5月下旬)、おめでとうございます。どんな1年にしたいですか?
ありがとうございます! 28歳ってなんか響きがいいですよね、いちばんいい歳だと思っています(笑)。少年心と大人の余裕のバランスが取れた男を目指したいです。大人としての余裕や落ち着きはあるけどまだ少年のような純粋さや遊び心は忘れていません、みたいな。それこそ自然のなかでゆったりと過ごすキャンプのような、余裕があるからこそできる遊びをいっぱいしたいです。大人の余裕と言えば……、最近は朝に運動したり、休日も早起きして1日を有意義に使うことを心がけるようになりました! ずっと夜型だと思っていたのですが、朝や日中の方が脳が働くしメリハリつけて物事に取り組めるなと感じるようになって。それに気づいてからは、夜ではなくて朝早く起きて作業するスタイルになりました。だから、最近は曲づくりも日中にやることが多いです。
─ 曲づくりからパフォーマンスまで、クリエイターとアーティストの2つの顔を持ち合わせていると思いますが、それぞれへの向き合い方に違いはありますか?
違うといえば違うし一緒といえば一緒なのですが……、難しいですね。創作活動は、どうしても日々の隙間時間とかオフの日を使ってやることが多いので、常に「さっきどこまで創っていたっけ?」と思っているし、頭のなかではいろいろと考え続けてしまいます。日常のなかで、ずっと“創ること”が頭のなかにある感じです。逆に、ライブは直感というか“感じること”を大事にしています。その瞬間にしかないナマモノだからこそ創り出せるものが多いので、その瞬間に湧き上がる感情やフィーリングでやっています。クリエイターとしては考えることが、アーティストとしては感覚が軸になっているので、そういう意味では向き合い方は違うけど、それぞれを明確に切り替えるスイッチみたいなものはないかもしれないです。

─ INIはデビュー5年目を迎えましたが、どんな年にしていきたいですか?
いろいろなお仕事やさまざまな経験を経て、デビュー当初に比べれば成長できていると思いますが、だからこそもっと突出しなきゃいけないなと思います。秀でた何かがあるから人前に立つ権利を与えられていると思うし、それなら人並み程度では人前に立ってはいけないと思っているので。実力のあるグループや多くの人を魅了する音楽が増えてきているなかで頭ひとつ抜けるためには、個人としてもグループとしてももっと秀でたものが必要だと思います。余裕なんて1ミリも感じたことないし、まだまだですね(笑)。
─ 最後に、西さんにとっての“ 美しさ”とは?
“個性”だと思います。自分だけの個性やアイデンティティがある人、いい意味で周りの目を気にせずに自分のやりたいことをやっている人に、人間らしい美しさを感じます。あとは、自分の個性を大事にしつつ、相手の個性も尊重できる人。それこそこういう撮影現場も、各方面のプロがお互いの個性をリスペクトし合いながら、それらが混ざり合ってひとつのものが出来るじゃないですか。そういう姿勢とか、それによって何かが出来上がる瞬間も美しいですよね。自分自身そういう瞬間を創り出す人に支えられていることも多いし、だからこそ一人じゃ生きていけないなと心から思います。
─ そんな西さんに生かされているファンの方もたくさんいると思います。
すごいことですよね! ほんとにありがたいです。こちらこそファンのみなさんに生かされているなと感じます。5年目になって、いい重さと責任を感じているので、だからこそ秀でたものを身につけていきたいです。

西洸人
1997年6月1日生まれ。鹿児島県出身。サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』から誕生したグローバルボーイズグループ・INIのメンバーとして、2021年にデビュー。2025年1月には、作詞・作曲を手がけたオリジナル楽曲10曲を公開するなど、アーティストとしてだけでなくクリエイターとしての才能も持ち合わせる。
Photography: TAKANORI OKUWAKI @UM
Hair & Makeup: MOEMI SUZUKI @MASTER LIGHTS
Styling: RIKU OSHIMA
Edit & Interview: YUKA ENOMOTO
こちらの情報は『CYAN MAN 2025年8月号』に掲載された内容を再編集したものです。