俳優・BUDDiiS SHOOTとしてマルチな才能を見せる森愁斗の素顔とは

俳優・森愁斗。彼は兄弟インフルエンサー「もーりーしゅーと」の一人であり、ダンスボーカルグループ「BUDDiiS」のSHOOTでもある。多種多様な活動をアグレッシブに行い、マルチな才能を見せる一方、シャイで物静かな性格と、物事を俯瞰し理知的に見極める一面を持つ。あどけなさの残る顔立ちには親しみやすさと懐かしさを覚える。特別でありながら、普通の20代の男の子。そんな彼のリアルとは。


─ 撮影はいかがでしたか?

楽しかったです。雰囲気もゆるい空気感で心地よかったし、写真の色味がどこか懐かしい感じがしてすごく好きでした。

─ 印象に残ったルックがあれば教えてください。

ヴィンテージテイストが好きなので、ピンクのスウェットの中に着たネルシャツが好きでした。ああいう配色は可愛いですよね。

─ 森さんが今日着ている私服のアメカジスタイルも、とてもお洒落で素敵でした。

ありがとうございます。ほんとに洋服やアクセサリーにしかお金を使わないと言ってもいいくらいファッションが好きなので、嬉しいです。

─ ファッションアイコンはいますか?

あんまり特定の人はいないかな。コーディネートはいろいろ見て参考にしたりします。これはこういう合わせ方がかっこいいなとか、自分が持ってるアイテムでこの雰囲気を出すにはどう合わせるのがいいかな、とか考えながら。

─ アメカジファッションに最近ハマっているとのことですが、好きになったきっかけは?

はっきりと何かがきっかけってことはないのですが、父の影響があるかもしれないです。父がちょうどアメカジが流行っていた頃の世代で、ネルシャツとかボアベストとかデニムとか、僕も小さい頃にそういうものを着てたので、そういうルーツはあったりするのかな。大人になってからあまり着る機会はなかったんですけど、ヴィンテージのお店に行くようになって、服の歴史やデザインの意味を知ってあらためて惹かれるようになりました。古いものは実用的なものが多くて、それが現代ではデザインとして排除されたりしますが、そういう背景や意味を知っていると今作られている洋服を見るのも面白いですし、知りながら着てるのも面白いです。アメカジに出合ってからの切り替えは早かったですね。もはや抜け出せないくらいになってます、自分のなかで。

─ 買い物の際のマイルールはありますか?

基本的にはヴィンテージのアイテムを買うことが多いです。ただ今日着てきたラルフローレンのDouble RL(ダブル アール エル)みたいに、ヴィンテージっぽいデザインのもので気に入れば、新品を手に取ることもあります。一目惚れして、つい衝動買いしちゃうこともあるし、買いすぎちゃったな~ってときもあるから、最近は少し悩むことをしてから買うように心がけています(笑)。

─ 撮影ではファッションも素敵でしたが、お肌が綺麗だと現場で絶賛でした。

ありがとうございます。でも実は、中学生の頃に肌が少し荒れてしまった時期があって、YouTubeでスキンケアの方法とか調べて、そこからいろいろと試すようになったんです。その時々でアイテムは変わるけど、その時期から毎日ずっと何かしらのケアはしてますね。お風呂に入ったらクレンジングと洗顔をして、パックする余裕があればして、あと化粧水・乳液・美容液・クリームっていうのはワンセットですね。今はそれがもうルーティーンになって体に染みついているので、やらない方が落ち着かないくらい。乾燥もしちゃうし。

─ 兄弟間で美容に関する情報交換はされますか?

お兄ちゃん(森英寿)は一切スキンケアをしない人で、メイクを落とさずに寝るんですよ。「次の日も撮影だからメイクを落とさない方が楽じゃん!」みたいな。ちょっと何言ってるかわからない(笑)。それでも荒れない肌質だから、羨ましいですよね。

─ BUDDiiSでビューティに詳しいメンバーはいますか?

うーん……、誰だろう、僕かな。今日みたいなネイルは、3年前くらいに自分でもやってました。天邪鬼なのでメンズネイルが流行り始めてから被りたくないなって思ってやめちゃったんですけど(笑)。あとファッションとの相性もあって、それこそアメカジとネイルはあまり合わないのでプライベートでは一切やらなくなっちゃいましたね。だからこそ、こういった撮影でメイクやネイルができるのは新鮮で楽しいですし、ファッションもジャンル問わず、洋服そのものが好きなので、いろんなスタイルに挑戦できるのも嬉しいです。

─ 今後、挑戦してみたいヘアスタイルは?

金髪ショート。基本的には僕はダークトーンで、今くらいの長さを行き来していることが多くて。金髪でも長めのスタイルはやったことはあるんですが、めっちゃ短い金髪はしたことがないので、挑戦してみたいです。

─ お気に入りの香りはありますか?

ウッド系、スパイシー系の香りが好きです。嗅いだ時に最初「ん?」って思うような、少し複雑な印象のものに惹かれる。香りのアイテムが好きで、香水は30個近く持ってると思います。家でも、リビングではお香をたいたり、寝室にもルームミストとか、ルームフレグランスを置いたりしてます。

─ 香水の使い分けやつけ方にもこだわりはありますか?

ファッションやその日の気分に合わせて使い分けています。こうやって(私物の香水をシュッと実演しながら)服の上からかけると、汗をかいても香水の香りがカバーしてくれるんですよね。自分の元々の匂いとも徐々に混ざっていって、違和感がないというか、より自分になじむ香りに変わっていく感じがします。

─ 出演されている『BATTLE KING!! Map of The Mind -序奏・ 終奏-』について、撮影で印象に残っていることはありますか?

僕が演じた山縣虎太郎という役は、感情をストレートに出すキャラクターなので、叫んだりすることが多かったんですが、地下ファイトクラブみたいな少し砂埃の立つような場所で叫ぶ撮影があって、喉がガラガラになっちゃったりして、そのケアと調整が大変でした。

─ 虎太郎とご自身で重なる部分はありますか?

基本的な性格は真逆だと思います。ただ山縣はいつも部下を従えているんですが、そういうのって根は仲間思いな人間だからこそ、みんながついてきていると思うんですよね。怒りの方向性や表現の仕方は違うけど、仲間が大事だからちゃんと怒れるんだろうなって。そういった面は共感するし、塩梅を考えながら演じるのは楽しかったですね。

─ 前作から今作にかけて、役作りするうえでの心境の変化はありましたか?

これまでの山縣はとにかく強くて、みんなが恐れるヤンキーというような立ち位置で物語が進んできました。ただ今作では、そんな山縣の弱さや壁にぶつかるシーンが出てくるんですよね。その辻褄を演技でどう違和感なく繋いでいくか、というところは考えましたし、アクションだけでなく、よりお芝居に注力した場面も多かったと思います。

─ 現場の雰囲気はいかがでしたか?

同世代も多く、グループの垣根を越えていろいろな役者さんが集まったので、すごくいい刺激をもらいました。映画の内容からは想像できないくらい、和気藹々としていて、平和な現場でした(笑)。特に山下永玖くんとは今回かなりがっつりと絡ませてもらって、アクションや演技について積極的に話し合いながら撮影できたので、距離が縮まったかなと思っています。

─ 今作は高尾颯斗さん演じる直江愛之助と、高尾楓弥さん演じる直江龍之介の“兄弟愛”も見所のひとつかと思うのですが、森兄弟として何か感じることや共感したことはありますか?

僕は普段あまり言葉にしない方なんですけど、だからって何も思ってないわけではなくて。兄に何かあったらやっぱり心配だし、節目節目で感謝はちゃんと伝えたいなと、あらためて思いました。小さい頃から一緒だと、いるのが当たり前になりがちだけど、絶対そんなことはないし、言える時にちゃんと言おうって。それに今、自分がこの業界にいるのは兄の存在がとても大きいので、あらためてすごく感謝しています。なんでも言い合えるし、相談にものれるし、友達のような、でも友達とはまた違うような関係性です、森兄弟は。

─ 最後に、公開を楽しみにしているファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。

どんな形であろうと夢を追う姿は素敵だなと思いますし、いま夢がなくても、それを見つけたときに全力で立ち向かってほしい。僕自身にも心当たりがあることですが「諦めないで」とか「頑張って」って口で言うのは簡単だけど、実際行動に移すとなるとすごく難しいし、しんどかったりするものですよね。でも、それが本当にやりたいことだったら、そう思う前に行動してるとも思うんです。だから夢を見つけたときには、全力で向き合ってほしいですし、そういう姿勢を教えてくれる映画だと思います。みんなの背中を押せる、そんな作品になればいいなと思っています。迫力たっぷりなので、劇場でぜひ観てほしいです!

森愁斗

2002年9月18日生まれ、東京都出身。ダンスボーカルグループ・BUDDiiSのメンバー。2021年5月、「CLICK ME」でデビュー。実兄・森英寿と『もーりーしゅーと』として活動。YouTube『もーりー【アホと弟】』では65万人の登録者を有し、TikTokはフォロワー145万人以上を誇る。2月14日(金)・3月14日(金)2作連続公開の『BATTLE KING!! Map of The Mind -序奏・終奏-』に、山縣虎太郎役で出演。


Photography: RYUNOSUKE KANAYA
Hair & Makeup: OYA
Styling: HARUKI UCHIYAMA @TRON
Edit & Interview: YUKA ENOMOTO

こちらの情報は『CYAN MAN 2025年4月号』に掲載された内容を再編集したものです。